断熱材選び

2022/06/21 活動情報

家の断熱の目的は、室内側と室外側の熱移動を遮断して外気温を伝えにくくすることです。

よって室温を一定に保ち、快適な温熱環境のもと冷暖房費の削減、そして命に関わるヒートショックの防止につながります。

そこでしっかりとした断熱施工はもちろんのことですが、その前に断熱材の選び方として、どこに着目するか?

まずは断熱材には主に繊維系・プラスチック系・天然素材系、3種類に分類されてます。

①繊維系・・・グラスウール・ロックウール・セルロースファイバーなどなど

②プラスチック系・・・フェノールフォーム・押出発砲ポリエチレン・ビーズ法ポリエチレンなどなど

③天然素材系・・・羊毛(これしか思いつかない…)

一括りに断熱材といっても、様々な種類のものがありますね。

それぞれの商品は断熱性能がわかるように数値化されております。

その数値化されているものが、熱抵抗値と熱伝導率です。

①熱抵抗値・・・熱の通りづらさを表す数値で数値が大きいほど高性能です。(単位㎡K/W)

②熱伝導率・・・熱の流れやすさを表す数値で数値が小さいほど高性能です。(単位W/mK)

この2つの数値を見比べて、どの商品が高性能なのかを判断できます。

そこで熱伝導率に関しましては単位(W/mK)に注目します。

W(電力)/m(長さ)K(温度℃)…厚さ1mの断熱材を伝わっていく熱量のことです。

実際に厚さ1mの断熱材は使用しませんよね(笑)

せいぜい壁の断熱材は一般的に10cm程度だと思います。

例えば、フェノールフォームと高性能グラスウール16Kを比較してみましょう。

フェノールフォームの熱伝導率 0.020W/mK

高性能グラスウール16Kの熱伝導率 0.038W/mK

この数値だけで比較するとフェノールフォームのほうが数値が低いのでグラスウールより性能がいいと判断できますが、これは双方厚さが1mの場合の数値です。

実際に一般的な家の断熱材として使用する厚さで計算しますと

厚み40mmのフェノールフォーム…0.50W/mK

厚み100mmの高性能グラスウール16K…0.38W/mK

グラスウールのほうが性能がよい数値が出ました。

当然、フェノールフォームの厚みが100mmであればグラスウールより数値が良いのですが、フェノールフォームは高価ですので厚くなるほど値段が上がります。

費用を抑え、尚且つ性能値を確保するには熱伝導率を比較することも断熱材を選ぶ一つの検討材料になりますね。

 

 

ただし、きちんとした断熱施工があって、はじめて性能値が生かされるのですが・・・